最新のポメラ開発者インタビューを読むと、年内の新型発売は無いような気がしてきた
中日新聞の11月4日付け朝刊でポメラが取り上げられました。購入してざっと読んだところ、まったくの主観ではありますが、新型ポメラの年内発売は無さそうな気がしてきました。
記事の概要
テーマは「引くと当たる」、つまり、商品の機能を制限する(引く)ことでヒットした商品を紹介するコーナーで、一番手にポメラが登場します。ポメラ以外にも「顔専用タオル」「お好み焼き専用キャベツ」が出ていて面白い記事でした。井村屋の「すまん」も小さくですが載っています。公式ツイッターファン歓喜ですね。
さて、具体的な内容に入っていきましょう。
記事は初代ポメラの産みの親、立石幸士さんのインタビューで構成されています。立石さんがポメラ開発者としてインタビューを受けるのは相当久しぶりに思います。自分の知る限りDM100のインタビューが最後かな?ポメラDM10とDM200を持った写真が載っていますが貫禄が出ています。長かった髪は短くなっていました。
最近のポメラに関する記事は東山慎司さんが出ることが多かった印象です。「当時の開発責任者に」と記者から指名があったのかもしれません。あるいは記者が立石さんと旧知の仲だったかもしれません。
紙面の内容は、DM10の開発会議で社外取締役の大学の先生だけが賛成をしたというエピソードなど既知のものがほとんどでした。ただ、珍しくDM5に触れられていました。ポメラには失敗もあって「1万円価格を落としたが売れなかった」と言及しています。これは宮本社長のインタビューでも出てきた内容で、自分が知る限りでは2回目です。
紙幅の制限を受けないウェブ版の内容は?
ところで、この記事には仕掛けがありまして、記事に載っているQRコードを読むとウェブ版にリンクします。そのウェブ版は紙面よりも詳しい情報が載っているということでした。もちろん勇んでQRコードを読み込みました。
(1)1000人いたら、1人に響けばいい。【キングジム】
中日BIZナビ(2021年11月1日)
8割は紙面の内容と同じですが、ウェブ版は立石さんの考えや思い、回想の部分が増えます。これも既知だと思いますが、DM10発売後に2chで反応を中華屋でみんなで見たこと、ユーザーの声を元に開発をしてきたこと、必要なことだと判断したら「折り畳み」も捨てる(=DM100)決断をしたこと。そういう一連の流れが立石さんの言葉で語られ、紙面版よりも伝わりやすい内容になっています。
初めて知る内容もありました。ひとつは、立石さんが2014年に開発を離れていたが、今年、電子文具開発部長に就任して「ポメラに続く電子文具の開発指揮に当たっている」こと。これは、別の機会に触れたいと思います。そして、もうひとつが先に触れたDM5について。
DM5は発売前から「需要があるのか信じ切れなかった」。そういう状態で世に出して、実際売り上げもよくなかった。だからこそ、ユーザーが求めるその先のものを(自信をもって)出していきたい、と記事は続くわけです。
自分が気になったのは「自信」のワードです。特にウェブ版で後半に出てくるこの言葉からは、開発陣のポメラに対する責任や気迫のようなものが見てとれます。立石さんは記事の通り「自信を持って発売できるもの、少なくとも自分が欲しいものを作ろう」と常日頃から部下(=ポメラの現場開発陣)にも伝えているように思います。
新型ポメラはこのスタンスで作られる以上、以前私が推測したように「ポメラのユーザーアンケートから2年」「DM200から5年」という単純な周期で発売されるものではなく、むしろ立石さんを含めて開発陣が自信を持ってGOを出せる商品になるまでは世に出ないような気がしてきました。(世界的な半導体不足などの要素もあると思いますが)
以上は個人的にざっと記事を読んで感じたことなので、もっと丁寧に読むとまた違うことが見えてくるかもしれません。気づいたことがあれば、またブログにしたいと思います。みなさんは今回のインタビュー、どのように読みますか? ぜひ聞かせてください!