ポメラDM200で書かれた「荒地の家族」を読んだ
個人的で雑駁な感想
●名前の付かない日常
最初に目次がないのですぐに気づいた人も多いと思いますが章立てになっておらずサブタイトルもない作品です。後からインタビューで「主人公の日常を描いた」と言われているので、名前の付かない日常を描かれていると理解しました。
個人的にはなかなかどこからどこまでが一つの塊か、呼吸が合わずに読むのが苦しかったです。また、今、全体のストーリーの中で起承転結のどこにいるのかわからず、また一つの章を読み切ったという達成感も得られないのもつらかったです。
●「肉」の実況
最初の数ページは、古館一郎の実況が聞こえてくるような肉(体)の描写でした。プロレスがお好きなのかなと勝手に想像したりしました。
●読むのが苦痛だった
半分頃からとても読むのが苦痛でした。ストーリーが展開していくわけではなく、輪郭が先に提示されて、後から詳細が肉付けされていくので新規の情報が出て来ず、また描写も「仕事道具」と同じように言及が少ないので感情移入もしにくく、また先述の通りサブタイトルが無いこととあいまって「読んでも読んでも進まない」気分になりました。
●特別な読後感
先述の通り読み進めることの苦痛が続くわけですが、最後の数ページで起こる人物の「退場」によって、救済(報われたような気持ち)を得ました。(これは登場人物にとっても自己救済だったのかもしれない)ただ、それは正直に言えばあまり褒められたことではないので、罪悪感のようなものを持ちつつ、畳み掛けるような風景描写を経て最後のシーンにたどり着くわけです。とにかくこの読後感が他にはなかったものでした。例えて言うなら、釣り針のように、抜こうとしたら「かえし」が付いていて無理に抜こうとすると傷が広がる感じでしょう。
本来はこの記事も読み返しながら感想を書くべきなのですが、上記のことから忌避しています。そういう作品でした。
既読の皆さんはどんな感想を持ちましたか?
普段あまり人と本の感想を話したりすることがないのですが、もしよかったら教えてください。