ポメラが出てくる映画「劇場版 DEATH DAYS」を見た

ポメラ雑談

ツイッターで「劇場版 Death Days」(以下「デスデイズ」)でポメラが出てくるという話を聞いて、同作を見てきました。樋口魚さん、教えていただきありがとうございます!! 記事書いたよー!

私が知る限り、ポメラが出てくる映画は田中みな実さんが主演した「ずっと独身でいるつもり?」以来です。こちらの作品ではたくさんポメラが出てきて、しかも印象的な使われ方をしていたのでリンクしておきます。

ポメラが出てきた!(ネタばれになっているかも?)

さて本題。
ポメラは開始約40分後、かなり終盤に出てきます。弟や友人、妻の死を乗り越え、紆余曲折あった主人公が迎えた12月31日。彼の「デスデイ」。小説家になった主人公は、ポメラを閉じて編集者に向かって「今、送りました」と一言。その後、編集者とのやり取りがあり、編集者を送り出し、彼自身も部屋を出てエンディングに向かうわけです。

ポメラDM30でした!

セリフの「今、送りました」を聞いて、 私はそのポメラは「何も送れない」ポメラだよと困惑。ポメラユーザーは気になってしまうところだと思います。せめてDM200なら整合性が取れるのに(「アップロード」機能を使ったんだなとなるので)……そこは残念。

記憶が定かではないのですが、一度閉じたはずのポメラが次のシーン(編集者とのやり取り)では開いているような気もします。でもそれくらいはっきり「ポメラ」の主張があるので満足でした。見てよかった。

※追記
東芝のFlashi Air(フラッシュエアー)を使えば飛ばせるよ、という指摘をいただきました。ありがとうございます!

どうしてPCではなくポメラを使うのか(以下、ネタばれ有り)

ここからが考察のお時間。どうして主人公「オレ」は執筆にPCではなくポメラを使ったのか。「ずっと独身でいるつもり?」では「『意識高い系』の使うMac」と「仕事で使うポメラ」の対比があったのですが今回はヒントが少なくて読み解きが難しいですね。

●あのシーンだけで「あれ」が執筆道具だと理解できたのか?

私はポメラの用途がテキスト作成専用マシンだと知っているので、主人公が物書きであることに気づき、その後の会話からノンフィクション(おそらく小説)を書くということがわかるわけですが、ポメラを知らない人は、いきなりパタンと閉じられた「あれ」が執筆の道具だと理解できたのでしょうか。作中に執筆シーンもなく、ポメラの編集画面は真っ白だったと記憶しています。DM200の見た目なら「超小型パソコン」にも見えると思うのですが、DM30は初見の人は何に見えたのでしょうか。とても気になります。

●部屋が最大のヒント

ところで、この作品はずっと同じ「部屋の中」で展開していきます。部屋の様子がそのまま主人公の年齢や心情を反映していきます。ポメラが出てくるシーンの直前まで、ゴミだらけで収拾の付かない部屋が一変。本が整然と並び、書斎のような落ち着きをみせています。そして、そこにはポメラと編集者がいる。これによって主人公は物書きになったのだと理解できるわけです。

ポメラがそこにある必然

ここでクイズです。
「本ばかりに囲まれた部屋で仕事をしている人」は何者だと思いますか? パッと思いつくイメージだと小説家、あるいは学者(研究者)くらいに絞れるかな、と思います。でも、もし机の上にPCがあったら別の可能性を与えてしまうんですよね。デザイナー? 建築設計かもしれない。そもそも単純に本が好きなだけで仕事とは関係ないかもしれない。でも、このシーンにPCが無いことでそういう可能性が一気に排除される。だからポメラが選ばれたのだと解釈しました。

●「わかりやすい」小説家のアイテムとは?

しかし、小説家であることを示すのにもっとふさわしいアイテムはあったはずです。例えば万年筆に原稿用紙。あるいはタイプライター。こうした物なら一目で「この人は小説家(物書き)だ」とわかる。作品の世界観を壊さずに共存できる道具だと思うのです。どうしてそちらを使わなかったのか。とても不思議でした。

●作品の時系列について

少し話を逸らしてしまうのですが、作品の序盤(主人公20歳のとき)に「魔界村」のゲームをしているシーンがあります。これ、主人公の友人が「レトロゲーム」が好きなのだと解釈していたのですが、ふと、当時の「リアルタイム」表現の可能性に気が付きました。作中で「年」の記載があったか思い出せないのですが、主人公が成長したり年をとっているということは当然部屋の「内」も「外」も時代が移り変わっているわけです。(部屋の内側はあまりそれを感じさせませんが)

●令和時代の小説家のリアリティ

つまり、あの本に囲まれた部屋は現代である令和に存在しているとすれば、原稿用紙に万年筆やタイプライターはあまり合わない。もちろんそういう小説家もいることは承知していますが。ワープロも少数派でしょう。でもリアリティを大事にしてPCを置くと別の可能性(デザイナー?建築家?趣味の読書?)と捉えられてしまって、観客にすばやく正しく理解してもらえなくなる。

だから「テキストしか書けない」ポメラを選んだ。ポメラを知らない人にとっても「PCではない」という意味においてポメラは適当だったと思います。その意味で、「超小型PC」だと勘違いされにくいDM30はさらに最適解だったのかもしれません。

結論

ポメラがいい仕事をしている作品でした!
(さすがに暴論なので、次ページでもう少しまともな感想を)

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