「カクヨム甲子園」にキングジム賞!

ポメラDM250,ポメラ雑談

高校生を対象とした小説コンテスト「カクヨム甲子園」にキングジム賞が創設され、受賞者にポメラDM250を進呈すると発表されました。今回はこの賞を考察し、傾向と対策を立ててみたいと思います。

小説の「キングジム賞」は初?

これまでも賞典がポメラのコンテストはありました。例えば、小説投稿サイト「エブリスタ」の「未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン」はかなり長期にわたって行われています。「第2回京都キタ短編文学賞」(2023年実施)では最終選考審査委員の望月麻衣さんが個人的にポメラを進呈しています。しかし、私が知る限り、キングジム社が審査員となって「キングジム賞」を掲げるのは初めてだと思います。

テーマは「道具」

キングジム賞には「道具」というテーマが設定されています。キングジム賞の紹介ページの記述を引用します。

高校生活でも、部活や学業、趣味の時間……と、日々さまざまな道具と共に過ごされていると思います。
そんな日常での道具との接点から、自由に発想を広げた作品をぜひ読んでみたいです。

たとえば……
・本当にこんな道具があったら、もっと面白く/便利になるんじゃない!?というアイデア性を感じる作品
・生活に寄り添うような道具が登場する作品
・道具を起点に、物語が動くような工夫がある作品
などなど。

もちろん上記に限りません。現実に存在しない道具でもOK!

我々の想定を超えるような、あっと驚くような作品をお待ちしております。

最高の「書く」を味わえるツールで、さらなる小説執筆の高みへ!カクヨム甲子園2024「キングジム賞」設置決定!

このテーマ設定とコメントを皆さんはどのように読みましたか?

個人的には「道具」というテーマについては妥当なところだと思います。
「日常での道具との接点から、自由に発想を広げた作品をぜひ読んでみたい」その例として「アイデア性を感じる作品」「生活に寄り添う道具が登場する作品」が最初に挙がるあたり、モノづくりの会社らしいなと思いました。高校生の生の声を聞く機会ととらえているのか、市場調査というか一種のマーケティング的な発想のように見えます。ちょっとほほえましいです。

キングジム賞、狙うなら……?!

上記を踏まえて、キングジム賞を狙うのであれば、生活のちょっとした不便に寄り添う「ニッチ」な製品をオリジナルで考えて登場させることができると有利だろうと思いました。なぜニッチなのかというと、ポメラに象徴するようにキングジムの製品が一つ機能に特化(単機能)で「あると便利」を追求したものを得意分野としているからです。

また「道具と人の関係性」を深掘りしてもいいと思います。
若い年代であれば、物を選ぶ基準は「周りの人が持っているから」「好きな芸能人がCMをしているから」「有名・親しみやすい企業の製品だから」といったことにフォーカスしがちですが、「目的に最も適う」「物自体に強い魅力がある」「愛着が持てる」「長く使える」といったことを意識すると、道具の扱いや選び方が可視化され、それはドラマを生むと思います。

例としてパッと思い浮かんだのがハリーポッターシリーズの杖の扱い。その人に合わせた材質で事細かに描写されていて印象に残っている人も多いのではないでしょうか。あるいは、漫画「ブラックジャック」のエピソードでは、ブラックジャックのメスを研ぐ凄腕の刀鍛冶の話や、飛行機が吹雪で飛ばなくなって、愛用のヴァイオリン(ストラディバリウス)を機内に置いていかざるを得なかったヴァイオリニストの話など、「達人の道具」にまつわるものが多いのですが、道具が強い存在感を放っています。

もう一つ。「道具の来歴」に着目するのもいいと思います。
小説「銀の匙」で、表題にもなっている「銀の匙」は、主人公の私は知らなかったけれども、彼自身にとって大事なものだったというところがとても好きなんですよね。(気になる人は青空文庫から→https://www.aozora.gr.jp/cards/001799/files/56638_61335.html

また、道具は当然なのですが、誰かが考え、作ったものです。身近な道具の発明・開発には知られざるエピソードが眠っているかもしれません。そういった道具に光を当ててみても面白いかもしれません。ちなみにポメラの開発もとても面白いエピソードが詰まっています。このブログでも何回か紹介しています。
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